今回は『頭のいい子にする最高の育て方』を紹介します。
この本は、著者のはせがわわかさんが、仕事をしながら子育てをする限られた時間の中で、効果が見込めそうな子育て法を調べ、実践し、効果があった方法だけを厳選した内容となっております。
その調べた数は、ハーバード大学、オックスフォード大学、東京大学、理化学研究所など…国内外の研究機関に1000以上とのこと(すごすぎる…)。専門家にも話を聞き、実際に200人以上の親御さんにも実践していただいたそうです。
しかし、本書は6歳までの幼児の子育て法となっています。
それでは、自分なりに覚えておきたいな、ということをまとめていきます。
コミュニケーション
子供の才能を見極める
才能は遺伝と環境の両方で決まる
パーソナリティによって頭のいい子を育てる方法が違ってくる
親から遺伝されたパーソナリティに最も適した環境を子供に与えることによって、子供の才能が最大になる
親が一番ラクなやり方が、子供にとっても一番ラクであるということ
遺伝と環境の相互作用には、受動的、誘発的、能動的の3つの相関がある
遺伝的に似ている親が、子供の遺伝子に関係がある環境を与えやすいというもの
小さいころに子供の才能が花開くと、その才能を伸ばすためのより良い環境が勝手に周りに作られていくというもの
ある程度大きくなると、自分の才能に合わせて自分で環境を作っていくようになるというもの
子供の才能を伸ばす
親が得意なことを子供と一緒に伸ばすのが、子供の才能を伸ばす最短ルート
パーソナリティは「遺伝と環境の掛け算」
自分がラクなやり方や得意なやり方で、子供の知性を伸ばす
愛情の注ぎ方
人格と心を育てると、知力、体力は勝手に身についていく
人格と心を育んであげるためには、子供のアタッチメントにきちんと対応してあげることが大切
子供が不安や恐怖などのネガティブな感情を持っている時に、保護者とくっつくことで安心を取り戻そうとする本能
アタッチメントは、子供の発達に大きく3つ(探求心の発達、自律、社会性の発達)に影響を与える
ご褒美
ご褒美の使い方を間違えると、子供の才能を台無しにしてしまい、勉強が苦手で、勉強嫌いに育ててしまうことになる
「楽しいからやっている」ことへのご褒美は厳禁
サプライズでのご褒美はあげてもアンダーマイニング効果は見られない
「楽しくないからやりたくない」のであれば、無理やりご褒美で釣るのではなく、「楽しくするにはどうしたらいいだろう」と、お父さんお母さんが考えてみることが大切
父親の大事な役割
お父さんは生まれて初めて出会う“他人”
お父さんとお母さんの関係から、他人との基本的な接し方を覚えていく
家庭とは最初に出会う社会である
お母さん=自分、お父さん=他人ですので、お母さんがお父さんを尊重することによって、他者と尊重するという意識、つまり社会性が育つ
お父さんは冒険、非日常の象徴である
言葉の語り掛け
とても大切な子供の心の状態が3つある
子供はメタ認知が苦手
親からの評価=子供の自己評価
子どもは無意識で自己評価に見合う行動をする
ネガティブな行動をその場でしかる+毎日ポジティブな声掛けをする
友達にやさしい子になってほしいなら、意地悪しているとその場で叱り、普段の生活の中では小さなやさしさを探して「あなたはいつも優しいね。ありがとう」と繰り返し言うと「自分は優しい子だ」と自己評価が出来上がり、だんだん優しい行動をするようになります
子供からの質問に即答するのは、実は間違い
大人から教えられた答えを丸暗記してしまうより、たとえ間違っていても、自分で考え、想像する面白さに気づくほうが、100倍大切である
「なぜ?」と聞かれた時の上手な答え方
どうして電車は速いの?
スピードが出ると気持ちいからじゃない?
遠くのおばあちゃんの家にもすぐにいけるからね!
電気の力でうんぬん…と答えるよりも「目に見えない理由」について言われても、あまり面白く感じない。今、感じていることや「目の前にある結果」について話してあげると、子どもは楽しくなります。そうすると想像も膨らみ、子どもも何だかすごいことを発見した気分になって、大満足します。
親の感情コントロール
子供に罵声を浴びせると、子供の脳に障害が生まれてしまう
「叱る」と「怒る」の違いは、「叱る」はクールな状態、「怒る」は冷静ではない状態
子どもの行動に対しては「叱る」べきであって、「怒る」べきではない
怒りを爆発させることは、ギャンブルと同じでクセになる
怒りを爆発させた時も一瞬ですっきりしてしまうため、これを脳が覚えていて、繰り返しやすくなる。しかも、ギャンブルの掛け金がどんどん増えていくように、怒りの爆発度合いもエスカレートしやすくなってしまう
親がしてはいけないこと
マズローの5段階欲求
①生理的欲求、②安全欲求、③社会的欲求、④承認欲求、⑤自己実現欲求
①から④段目を「欠乏欲求」⑤段目を「自己実現欲求」と呼んでいる
欠乏欲求が「満たされないと困り、満たされるとそれでおしまい」であったのに対して、自己実現欲求は「満たされれば満たされるほど、もっとほしくなる」
自己実現欲求まで到達しないと、人間は「もっと知りたい!」と思わない
よその子と比べて優劣はつけているうちは、自己実現欲求は湧いてこない
生活習慣
子供の睡眠時間が長いのには理由がある
記憶を整理したり、脳の中の不要な老廃物を掃除したりと、睡眠によって脳をリフレッシュするために眠る
眠るだけで運動能力も発想力もアップする
睡眠に関する論文を調査して算出した推奨睡眠時間
1歳から2歳:11~14時間
3歳から5歳:10~13時間
夜寝は主食、昼寝はおやつのようなもの
夜寝10時間以上を守れるように、子どもの睡眠時間を軸に生活を組み立てるように意識する
なんとなく続けている昼寝は、脳によくない可能性が高い
4歳、遅くても5歳までには昼寝をなくすのがよい
食事
頭のいい子に育てるために意識するべきと特に大切な3つの栄養素①タンパク質②DHA③鉄である
タンパク質は子供の体と心にとって大切な材料(食べ物:納豆や豆腐などの大豆)
DHAは脳を作る材料(食べ物:シラス、じゃこ、サクラエビ)
鉄は脳が発達し、正常に働くのにとても大切(食べ物:青のり)
電子機器類との付き合い方
スマホやゲーム機を子供に渡し続けたら「ほったらかしでも勉強する子供」には育たない
幼少期に欲求をコントロールできるかで、その後の学力や健康まで決まる
何も遊ぶものがないときに楽しく過ごせる力があるほど、幸せな一生を送れる
低年齢からゲームを長時間すると、将来、ゲーム依存症になる可能性がある
遊び
遊びで鍛えられる3つの能力
抽象的思考力:具体的に目の前にないものを想像する力
空間認知能力:見えないものをイメージすることができても、それを頭の中で自由に操るようにできること
楽しみを生み出す力:自分で楽しみを生み出す力。この能力は成長とともに失われがちな力
具体的に目の前にないものを想像する力
見えないものをイメージすることができても、それを頭の中で自由に操るようにできること
自分で楽しみを生み出す力。この能力は成長とともに失われがちな力
抽象的思考力=創造遊び(ふり遊び・ごっこ遊び)+受容遊び(絵本など)
空間認知能力=機能遊び(走る・跳ぶ)+創造遊び(お絵描き・積木)
抽象的思考力+空間認知能力=楽しみを生み出す力
学習
知育ドリルに集中させる方法
大人の助けがあればできるレベルと、自分一人でできるレベルの間の領域があり、それを「発達の最近接領域」という
発達の最近接領域は、上手にできる大人たちが上手に働きかけることで顕在化する
幼児にとって説明されてもわからない問題は、遊びなどの具体的な経験が足りていない
幼児期に知育ドリルに楽しく取り組めるかどうかで、小学校に上がってからの子供の伸び方が違ってくる
生活の中のコミュニケーションで無意識に使うことと、それを意識のレベルで使うこととは、理解の度合いがずいぶん違う。これが、「わかっているはずなのに解けない」というときの子供の状態である
生活シーンでできるからって、いつもできるとは限らない
ひらがなの学習
文字を書いたり読んだりすることについては、教育が必要
文字をたくさん楽しんだうえで小学校に入学すると、先生の言うことも教科書の内容もとてもよくわかるので、どんどん勉強すきに育っていく
鏡文字を書いていても楽しそうに書いていれば問題なし
子供が文字を読むようになるために大切な働きかけが「音韻意識を高める」と「文字を認識する」こと
読解力
子供の独り言は思考の始まり
黙って読めるようになっても、音読をあえてするのも大事
子供、特に幼児は頭の中で思考することが上手くないので、黙読よりも音読のほうが内容を正しく読み取る力が高くなる
国語の学習で文章を読むときは、声を出すことだけに集中させないように、小さな声で内容をゆっくりとつぶやきながら、理解を深めてあげるのがベスト
数字を唱える、使いこなす力
自分の中に新しい知識を取り込んでいく方法を学ぶ学問
本格的に算数力を育むよりもずっと幼い頃から、小さいものをつまんだり落としたりする遊び、シールをはがす遊び、粘土遊び、あやとりなど、指先の神経をたくさん使う遊びを通して、計算力の土台を育みましょう
習い事
習い事を通じて身につけておくべき力は、必要になったときに必要な能力を自分で身につける力で「自己調整学習能力」と言われる力である
自己調整学習力というのは「学習者が『動機づけ』『学習法略』『メタ認知』の3要素において、自分自身の学習過程に能動的に関与していること
モチベーション
どうやったらうまくできるかなと考えたり、なんだか集中できないけどどうやって気分転換しようかなと自分で考えたりする力
今、自分はどのくらいできるのかなということを理解する力
習い事の場では、「とにかく楽しいから」よりも一段成長して、何かを達成するために「やることが大事だから」やるという経験が必ずあるのです。楽しみながらこのような場を少しずつ経験していくことが子供を大きく成長させる
「面白いからやる」をたっぷりと経験して「楽しい」「大好き」が体に染み込み、さらに「自分はできる」という自信がついてくると、自然と「大事だから」「うまくできなくても、頑張る」という気持ちが芽生えてくる
モチベーションを高くして行動するために、自分で決めるという「自己肯定感」、自分はできると感じる「有能感」、自分は認めてもらえるという「受容感」の3つが必要
以上、『頭のいい子にする最高の育て方』のまとめでした。
コメント